なぜ私たちは「佐藤」を選ぶのか:佐藤ブランドから考える、消費の本質
はじめに
「なぜ同じようなデザインなのに、佐藤ブランドの製品はこの価格なのか?」
私たちは日々、お客様からこのような質問をいただきます。確かに、市場には似たような見た目の製品が数多く存在します。
しかし、私たちがお届けしているのは、単なる「モノ」ではありません。このブログ記事では、佐藤ブランドの「本物」が持つ価値について、製造工程から哲学まで、余すところなくお伝えしたいと思います。
見えない部分へのこだわり
素材選びの哲学
佐藤ブランドの革製品に使用されている革は、日本のある特定地域で育てられた牛から採取されています。なぜか?その地域の水と飼料が、革に独特の柔らかさと耐久性をもたらすからです。
「革は生き物の一部です。育てられた環境、食べたもの、すべてが革の質に影響します。私たちは、トレーサビリティの完全に把握できる素材だけを使用しています」
(佐藤ブランド素材担当・工藤健一)
製造工程の「無駄」
一般的な製造工程では、効率化のために機械による一貫生産が主流です。しかし、私たちのワークショップでは、特定の工程だけを手作業で行っています。
例えば、バッグの角部分の縫製。機械ではどうしても負荷がかかりやすい部分ですが、職人が一針一針、角度と強度を調整しながら縫うことで、長年の使用にも耐える構造が生まれます。
「この手間は、数字では計れない。でも、10年後のお客様の笑顔が見えるから」
(ベテラン職人・山田隆、工房歴25年)
時間が証明する価値
経年変化の美しさ
佐藤ブランドの製品は、使用すればするほど味わいが増すように設計されています。革製品であれば、お客様の手の脂や、使用環境によって、唯一無二の風合いが生まれます。
実際に、10年以上使用いただいているお客様からこんな声をいただきました:
「最初は硬かった革が、今では私の手にぴったりと馴染んでいます。傷やシワも、すべてこの製品と過ごした時間の証。修理に出した時に、職人さんが『大切に使われていますね』と言ってくださったのが、何より嬉しかったです」
(東京在住・佐々木様、トートバッグ購入後12年)
修理と再生のシステム
私たちが提供する「永久修理サービス」は、単なるアフターサービスではありません。これは、モノを長く使い続ける文化そのものへの挑戦です。
2023年のデータでは:
- 修理依頼のうち67%が「経年劣化による機能的部分の修理」
- 平均所有年数:5.8年(業界平均の約3倍)
- 「思い出が詰まっているので、修理してでも使い続けたい」という理由が89%
数字では測れないコスト
環境への真の配慮
「サステナブル」という言葉が流行する以前から、私たちが実践してきたことがあります。それは「最初から長く使えるものを作る」という、最も基本的な環境配慮です。
- 廃棄物削減:型取りの段階から、革の無駄が出ないパターンデザイン
- エネルギー消費:主要工程を太陽光発電で賄う工房の運営
- 化学物質:革なめしに植物タンニンのみを使用(クロムなめしの1.5倍の時間がかかります)
地域社会への還元
佐藤ブランドの工房はすべて、地方の中小都市に立地しています。理由は二つ:
- 伝統技術を持つ職人層がまだ残っている地域
- 地域経済への貢献
現在、直接雇用している職人は全国で127名。平均年齢42歳と、この業界では珍しく若い層が多く、技術の継承にも力を入れています。
未来へつなぐものづくり
若手職人の育成
私たちは「見習い制度」に特に力を入れています。給与を支払いながら、3年かけて一人前の職人を育てるこの制度は、経済的には非効率かもしれません。しかし、過去5年間で17名の若手職人が育ち、今では核となって活躍しています。
「最初の1年は革の種類を触り分けることすらできませんでした。でも、師匠が『10年後のことを考えろ』と。今では、革を見ただけで産地が分かるようになりました」
(見習い制度1期生・小林優太、現在は革選定責任者)
オープン工房の試み
年に4回、工房を一般公開する「オープンワークショップ」を開催しています。製造工程を見ていただくことで、ものづくりの大変さと面白さを感じていただきたいからです。
参加者のアンケートでは:
- 「値段の理由がよくわかった」(94%)
- 「職人さんと話せて、愛着がわいた」(87%)
- 「ものを大切に使おうと思った」(96%)
お客様と築く関係
フィードバックの循環
佐藤ブランドの製品開発には、お客様の声が直接反映されています。例えば、現在人気の「軽量トートバッグ」は、子育て中の母親たちからの「もっと軽いバッグが欲しい」という要望から生まれました。
「私たちは、お客様と一緒に製品を作っていると言っても過言ではありません。売りっぱなしではなく、使い続けていただく中で生まれる新しいニーズが、進化の原動力です」
(製品開発担当・田中美咲)
コミュニティの形成
公式ユーザー会「SATOHolic」には、現在約5,000名が登録しています。ここでは:
- 使用上のヒントやお手入れ方法の共有
- 製品の思い出やエピソードの交換
- 製品開発へのアイデア提案
が活発に行われています。モノを通じて人のつながりが生まれる——これこそが、私たちが目指すものづくりのあるべき姿です。
